進化する高校 深化する学び
総合的な知をはぐくむ松高の実践

菊地栄治 編
A5判 263ページ 定価(本体1,900円+税)
ISBN978-4-7619-0719-8 高校教師

総合学科や「総合的学習」、「自己表現」「上方漫才研究」「地球市民入門」などの新しい教科のデザイン、自由選択講座、授業改革など、真に「総合的」な学習を推進し成果をあげてきた大阪府立松原高校の実践研究。高校教育改革の一つの帰結がここにある。




プロローグ (菊地栄治)

序章 いまなぜ松高なのか−つながりの回復のために− (菊地栄治)
ブラックボックスとしての高校教育
高校生の「現実」とこれまで…
〈ホリスティックな知〉とは何か
いまなぜ松高なのか?
岐路に立つ高校教育
第一部 学校づくりの根っこをじっくり育てる
第一章「松高」の歩み
 −地域に触発され、地域を触発して− (易寿也)

地元校育成運動のなかで
生徒と連帯した松高再建運動
人権学習の改革を
「人間として誇りと優しさを持てる生き方を選ぼう」を合い言葉に
「できること」に注目して
「いろんな生き方があるんだ」
「生き方を学び、学び方を学ぶ」学校
新しい社会の担い手を
コラム1 松原高校は"心の原点" (石川浩蔵)

第二章 自分らしさを大切にする人権学習 (平野智之)
大切にしてきた人権学習
総合学科での新たな実践
総合学科のシステムと人権学習
ある「出会い」
同性愛を人権ホームルームで
まぶしい輝き
コラム2 ヒロシマの心を伝え続けてください (豊永恵三郎)

第三章 ノーマライゼーションと福祉教育 (加納明彦)
松原におけるノーマライゼーション
私自身のノーマライゼイション
ハンディのある生徒も含めて生活する中での工夫
福祉教育の目標は「問題解決能力の育成」
地域の問題に目を向け行動していける生徒の育成を
コラム3 松高で何を学んだのか (尾脇俊秀)

第四章 生徒が学ぶカウンセリング (佐谷力)
はじめに
講座の開講
講座のねらい
講座の対象・内容
講座の開始
成績の評価と授業の評価
スチューデントカウンセラー制度の発足
「受容」と「指導」の関係
学校現場とカウンセリング
おわりに
コラム4 カウンセリング入門〜ブックガイド (佐谷力)
第二部 学びの境界をしなやかに超える
第五章 クラス開きとホームルーム合宿
 −関係づくりの様式− (平野智之・山口裕子)

マザーアースとの出会い
自分と他者に出会う
過去と現在、自分を開く
体験学習の循環過程
コラム5 ホームルーム合宿を終えて (山崎剛)

第六章 総合的学習の試み
 −進化する「産業社会と人間」− (山口裕子)

四年目を終えた「産社」
主体的な学習を目指して
企画としての『コンペティション二〇〇〇』
コンぺ二〇〇〇のプロセス
社会から認められた生徒たちの企画
課題解決とコミュニケーションの力
コラム6 地域社会づくりを担う人材育成へ (石川結加)

第七章 教科をデザインする
  1. 「自己表現」 (平野智之)
    開講にいたるまで
    授業をやってみる
    表現への意欲が高まる
    それぞれに生かす「自己表現」
  2. 「グループワーク」 (菅野謙二)
    グループワークとの出会い
    授業「グループワーク」スタートの前に
    授業の内容
    一年間を終えて
  3. 「上方漫才研究」 (坂口俊彦)
    はじめに
    講座の目標
    講座の内容
    生徒の姿
    おわりに
  4. 「創造の文学」 (植田純輔)
    開講直前の国語科教科会議での会話
    授業内容−生徒の感想から
    学びの展開と作品
    実験期担当者は実は楽させてもらった
    生活・表現の場としての学校
  5. 「地球市民入門・エスニック講座」 (山口裕子)
    「こんなことして何かの役に立つの?」
    国際社会に生きる「私」に気づく
    「地球市民入門」
    「他者とかかわる力」を伸ばす「エスニック講座」
    スタディツアーとのタイアップ
  6. 「保育」 (宮田早永子)
    「保育」のスタート
    保育所実習の準備
    保育所実習に向けての実習
    その他の実習
    まとめ
  7. 「子どもと絵本」 (松本寿代)
    なぜ高校生に「子どもと絵本」という講座を?
    「絵本」にふれる授業
    感性に響く授業を
  8. 「児童スポーツ」 (小澤千晶)
    講座のねらい
    授業内容
    評価
    今後の課題

第八章 国際交流の歩みとねらい(檜本直之)
すべては一枚の名刺から始まった
ホームステイツアーで生徒たちが得たもの
加速化する国際交流
セイクレッド・ラン'95ジャパン
海外に活躍の場を求める生徒たちと留学生の受け入れ
べトナム・ボーミンドク高校との姉妹校提携
ホームステイツアーの問題点
ホームステイツアーからスタディツアーへ
スタディツアーで見えてきたもの
コラム7 教育に国境はない (野村利之)

第九章 「共に生き、歩む社会」を創るために
 −渡日生が教えてくれたこと(金谷由美子)

自分の殻を破れずに
立ち上がる生徒たち
「共に生き、歩む社会」とは
民族的立場を越えた「アイデンティティ」の確立
生徒たちに学ぶ「松高らしさ」
新たな旅立ちに寄せて
コラム8 生徒が架ける「日本と中国の架け橋」 (島田伊津子)
第三部 豊かな関係を柔らかく紡いでいく
第十章 マザーアースエデュケーション
 −先住民の知恵に学ぶ− (松木正)

Faith (信頼)のないところには、何もおこらない
Sympathy (共感)は「絆」づくりのGood Medicine
りんと立つ「生命の木」を育てる
「生命の木」は矛盾の中に立つ
"Dont be afraid to talk about a spirit!"
コラム9 「規律」と松高の教育改革 (高田研)

第十一章 生徒の夢に思いを託して
 −松高進路保障部のめざすもの− (丸谷善典・平野智之)

なぜ「進路保障」なのか
進路開拓の動機づけとしての「産社」
厳しい就職に挑む
二年間の総和として大学をめざす
個性を磨く専門学校
一人ひとりの自己実現
コラム10 総合学科の就職指導に携わって (池嶋正和)

第十二章 バオバブの木の下で
 −松高と地域のつながり方− (丸尾知子)

松高で準高生に出会って
バオバブの家の現状と課題
松高に望むもの
コラム11 「共に生きる」 〜学校をつくるということ〜 (島津邦廣)

第十三章 魅力的なパートナーでありたい
 −共生ユニットAPUROまつばら− (鄭聖子)

APURO誕生前夜
変化を楽しむ
魅力的なパートナーであるために
人と人との出会いから
コラム12 同和地区出身生徒のラジオ出演 (安達日出男)

第十四章 松高に見る学校づくりの原点と楽しさ
 −教諭・教頭・校長として改革にかかわって− (野村利夫)

カルチャーショック
生徒の背中が見えてきた
授業改革
自由選沢講座制の導入
総合学科に深まる関心
総合学科へ膨らむロマン
一期生・二期生へのアンケートから
総合学科はなぜ功を奏しているのか
総合学科から見えてきたこと
学校改革ができた主な理由
学校改革の三大条件
おわりにあたって
コラム13 支援する教育委員会の時代 (菊地栄治)

結 章 いま、高校がおもしろい
 −いっしょにやってみませんか− (易寿也)

松高は日々成長する生命体
いっしょにやってみませんか

エピローグ (菊地栄治)

 

→ [学事出版トップページへ]