下流上等
キレない子が病む格差教育

今 一生 著
四六判 256ページ 定価(本体1,600円+税)
978-4-7619-1265-9
中・高校教師 研究者 保護者


「格差社会」の中で子どもたちはキレることすら許されず、悶々と毎日を過ごしている。「みんなと同じ」では生きられない、そんな時代の子どもたちとあなたはどう向き合いますか?



はじめに 〜資本格差の時代の教育

第1章 少年事件から見えてくる孤独
 子どもの欲しい愛に応えているか? 〜タリウム毒殺未遂事件
愛されたいからこそ憎しみも増す
他人を装わないと本音を出せない人たち
がんばれない子に「がんばれ」と言う罪
母親の中途半端な態度にいらつく息子
母親を毒殺しようとした女子高生の無力感
 皮膚感覚で学べない子は地雷化する 〜同級生刺殺事件
「家族に迷惑をかけるのは気が咎める」子の殺人
「頭でっかちな大人」が「頭でっかちな子」を作る
「なぜ学ぶのか」に答えて学ばせる『ドラゴン桜』
 銃を欲しがる少年たち 〜拳銃強奪未遂事件
刃物を忍ばせて銃を奪う少年
人から付き合いを拒まれた子の選択
大人たちの排他的な空気が伝染していないか?
 不特定多数を殺傷する祭 〜「ヒマ問題」が生む無自覚テロ
全国で同時多発的に起きている十代テロ
ヒマを持て余し、ニュース萌えする世代の声
客観性と同時に、個々の事情を聞く構えを
第2章 自尊心を奪われた子は命を大事にできない
 世間と戦えない子は永遠の安息を選ぶ 〜一人の高校生の自殺から
広く人材と手を組むことをしない教育委員会
「世間並み」の生き方ばかり強いてないか?
自分の能力を試せば友のありがたさを知る
 子どもの味方は世間の敵 〜リストカット少女への対応
精神科医に預けるとこじれていくのが自傷癖
自傷癖をこじらせるより、家出=自立を勧めよう
 自尊心は性に影響する 〜「僕」と自称し、手首を切る女子高生
自分の「女らしさ」が嫌いな少女
相手の心に余裕がなければ愛も届かない
人は相手によって性のありようを変える
 あいまいな関係が「居場所」になるとき 〜「ウリセン」少年の告白
「誰でもない自分になれてホッとする」子の言い分
透明な存在として自分を消したい少年たち
第3章 インターネットのトラブルは本人しか防げない
 快楽殺人者の餌食になる自殺系サイト 〜「メル友」殺人事件の教訓
自殺志願者なら殺してもいいと思う人の存在
管理職こそIT教育を受けよう!
「本当のこと」を言う勇気があるか?
大人がネット音痴では防犯できない
ネットを使えば元犯罪者とも出会ってしまう
 インターネットは自己責任メディア 〜傷を負うのはユーザ本人
子どものネット利用実態に追いつけない大人たち
誰とメールしているかなんて誰も把握できない
主体的に危険に飛び込んでしまう子どもたち
クラスの1割がネット犯罪を招きやすい「自傷系」
ネットを使えば「想定外」がたくさん起こる
校内備品のPC&携帯の利用にはライセンス制を
 知識だけでは防犯できないネット犯罪 〜世間の怖さを皮膚感覚で
ネットの闇には世間知らずをだましたい人がいる
平気で十代をネット心中に誘う若者たち
 Winnyデータ流出騒動 〜理系進学者にコミュニケーション教育を!
官庁・病院・メディア・学校・企業すべてが標的に
Winny不使用が一番だが、現実には徹底できない
技術者教育にコミュニケーション訓練を義務づけよ
第4章 大人自身がわが身を振り返るために
 相次ぐ教師の不祥事 〜失望する生徒たちへの影響
心の余裕を失っている大人たち
中年の管理職こそ体への関心を喚起しよう!
体を通さない学問はマニュアルにすぎない
 ココロ系からカラダ系へ 〜戸塚ヨットスクールの校長復帰
当事者である子どもを無視した「体罰」論議
平和な日常も暴力で維持されているという現実
苦しみを分かち合う体罰なら一緒に泣ける
 更正施設には格闘技の方法論を 〜アイメンタルスクール監禁致死事件
担当医は応急措置を十分に指導したか?
常識が通じない人には非常識な方法を
理不尽さを受け入れることを学ぶ
生きる自信とは体力のことだった!
知識偏重の大人こそ体を鍛えなおそう!
 常識のウソ 〜大人の傲慢と世間並みが子どもを苦しめる
親が子どもを愛する以上に
子どもからの愛に気付かない親たち
世間並みを強いられては自尊心は育たない
自分の学生時代の付き合いを内省してみる
 学校の外から教育を見直す 〜子ども自身が知りたがっていること
保健室ぐらいは笑顔で満たそう!
話を聞いてほしい子は健康な笑顔に安心する
学校が社会とつながるために
第5章 資本格差で致命的に下流化する学力
 10代からの経済的自立 〜家出少年には自営の自由を!
児童福祉予算額で見積もられる「虐待」の判断
児童福祉法と労働基準法に阻まれる自立
能力差が賃金を生むのが資本主義社会
 収入手段と就職観に見る世代間ギャップ 〜親より稼ぐ「ネオニート」族
景気の悪化で露呈した日本人の労働嫌悪
生活のためだけでは働けない世代の台頭
まっとうに生きるには、職業技術が不可欠
 資本格差と自尊心 〜雇用がダメでも自営があるさ!
下流層の家庭の子ほど自分らしさを求める
若年層の失業と、学歴に担保されない雇用
ネット・ビジネスで年収1千万を稼ぐニートの登場
雇用されないほうが儲かる人を支援せよ
スペシャル対談◎今一生×三浦展(『下流社会』著者)
 「下流社会」に教師・親が備えること
 下流家庭の高校生は九九も出来ない
下流層を救い上げるのは体力作り
体を鍛えるチャンスを奪う大人
子どもに資本格差の現実を見せろ
いっそのこと「教育特区」を作れ
おわりに 〜「みんなと同じ」で生き残れるか?

初出一覧

著者略歴
 

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