就業力と大学改革

学長たちが語る就業力対策

角方正幸・松村直樹・平田史昭 著
四六判 160ページ 定価(本体1,300円+税)
ISBN978-4-7619-1855-2
大学教員
大学の学長アンケート調査や人材ニーズ調査など関連データをもとに、現在進行している就業力育成事業の混乱や課題を整理し、各大学が目指すべき教育改革の方向性を考えるうえでの客観的な情報を提供する。

目次

まえがき
第1章 学長が語る就業力育成
 1‐1 「就業力育成」へ強い関心
就業力育成に関する設置基準の改正/「就業力育成に関する学長調査」を実施
 1‐2 自立意識を高める教育課程への変更
「学生の自立意識と社会性の低下」の認識/就業力育成授業の担当者は
一般教員主体/就業力育成科目は必修が4・9単位、選択は9・0単位/
対策のトップは「就業観、勤労観の育成」/国立は就職相談など個別
サービス強化、私立は初年次教育重視/大規模大学は組織的な取り組み/
九州・関西が積極的、北海道東北・関東はアウトソーシングが多め/
外部機関との連携は、地元企業・地元自治体が中心/就業力育成を担う
人材は「自前主義」
 1‐3 大学組織の課題
「全学的カリキュラム改革」の必要性を認識/大学の組織的なマネジメ
ント上の問題/人材と資金の不足/それぞれ大学固有の歴史や事情
第2章 就業力育成支援事業選定校の事業プラン分析
 2‐1 「就業力」とその「育成支援」とは
「就業力」をめぐる動き/大学生の就業力育成支援事業/
選定157校の事業プラン分析
 2‐2 重要な対策27項目の全体傾向
実施された対策…学生個人の就業力向上に重点/実施されなかった対策…
教職貝の実力向上は重要だがハードルが高い/大学の属性を問わず実施
された対策…「学生の職業観・勤労観の育成」「自己分析セミナーの強化」/
カリキュラム改変は長期戦、かつ総力戦
 2‐3 基礎力類似概念の全体傾向
「人間力」「社会人基礎力」は大学に浸透/学士力と就業力
 2‐4 設置形態別分析
国立大学の特徴…「個別サービス」よりも「体制の強化」に重点/
公立大学の特徴…外部との連携重視の傾向/私立大学の特徴…
各校の独自性を打ち出す
 2‐5 規模別・偏差値別分析
偏差値上位校に特徴的な「キャリアセンターの強化」/
中小規模校に特徴的な「PC講座、語学など資格取得講座の強化」/
「コンピテンシー」は高度な要求?―偏差値上位校を中心に出現/
システム導入は偏差値上位校で効果が期待される?/
手間・コストがかかる、プロジェクト型・体験型授業/高い理想と目の前の現実
第3章 就業力育成に欠かせないキャリア・アダプタビリティ
 3‐1 キャリア・アダプタビリティとは
キャリア自律に必要な3つの力/自律を取り戻そうとする力
 3‐2 動機付けの分野で語られるアダプタビリティ
適応の概念/適応のプロセス
 3‐3 キャリア発達の分野で語られるアダプタビリティ
マチュリティ=成熟という概念/マチュリティからアダプタビリティへ
 3‐4 代表的な尺度
アダプタビリティ尺度の共通要素
 3‐5 従来尺度では語りつくせぬもの
卒業生アダプタビリティの検証/入社企業に対する希望度との関係/
3年以内転職行動との関係
 3‐6 3年以内の良い転職・悪い転職
初期キャリアにおける転職理由/「十分に吟味した判断」を可能にする要素
 3‐7 組織社会化のプロセスとアダプタビリティ
上司評価から見た職場適応/初期キャリアにおける転職の規定要因/
人との出会いに臨む姿勢・態度
 3‐8 キャリア・アダプタビリティの整理
(1)「欲求」や「動機付け」の分野で語られるアダプタビリティ/
(2)キャリア発達の分野で語られるキャリア・アダプタビリティ/
(3)初期キャリアにおける転職実態/「独自性」とキャリア・アダ
プタビリティ/「建設的協調性」の確立/一人前の社会人を育てるために
第4章 企業が期待する就業力育成とは
 4‐1 企業が大学教育に期待すること
大学教育無用論から教育要望への変化/なぜ企業はこのように変節
したのか
 4‐2 大卒新卒者に求める能力とは?
人材ニーズ調査から/人材ニーズ調査から見た求める基礎力ベストテン/
企業属性によって求める能力に違いはあるか/すべての企業が同じでは
ない
 4‐3 就業力育成に関する企業と大学の役割
大学と企業との役割分担をインターンシップから考える/
神奈川県版インターンシップの試行/「役割分担」から「共同・連携」時代へ
第5章 就業力育成事業の評価と情報公開
 5‐1 就業力育成は大学改革そのもの
「幅広い職業人養成」という大学の機能/
就業力育成は「就職対策」ではない
 5‐2 就業力育成の評価
就業力育成の取り組みを誰が評価するか/
社会全体の「オープン化」「情報化」の流れ
 5‐3 大学の情報公開
教育情報の公表が義務化される/大学のIR/再び「就業力育成の評価」
巻末資料
おわりに

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