通常学級で行う

発達障害がある子・周りの子も輝く特別支援の極意 小学校編

月森久江 著
B5変型判 112ページ 定価(本体1,500円+税)
ISBN978-4-7619-1954-2
小学校教師
通常学級で行う特別支援教育の基本から、実際の学校現場での状態を具体的な場面をあげて紹介し、行動の原因を解説するとともに、その後の個別の対応方法と周りの子の不公平感をなくす学級全体への指導法を伝授。

目次

第1章 発達障害がある子の理解と支援のための7つの方策
方策(1)個別のニーズを理解する
まずは、個別のニーズに気づくこと/通常学級の2〜3人?が気になる子?/LDの子の困難さとは/情報の入力と出力につまずきがある/ADHDの子の困難さとは/3つの症状がある、ADHD/広汎性発達障害の子の困難さとは/知的障害を伴わない自閉症の子
方策(2)個別のニーズに合った支援を行う
課題の与え方を工夫する/叱責や罰を与えない/許容範囲を決めておく/教材・教具を工夫する/社会的なスキルを教える/自分の感情を知る方法を学ばせる
方策(3)学級環境を整える
居心地のいい学級をつくる/特徴(1)教室環境が整えられている/特徴(2)先の見通しがもてる/特徴(3)明確な指示がある/特徴(4)視覚的に分かりやすい/特徴(5)言語環境が整えられている
方策(4)周りの子への指導を工夫する
周りの子に理解してもらう/不公平を感じさせないようにする/周りの子もきちんと配慮する/事前に対応方法を伝えておく
方策(5)保護者との協力関係をつくる
保護者も困っていることを理解する/情報提供は慎重に行う
方策(6)校内の支援体制を整える
校内委員会が支援の要となる/特別支援コーディネーターの役割/通級指導教室を活用する/その子にあった学級形態を考える
方策(7)専門家や地域の人たちと連携する
さまざまな人たちを活用する
チェックリスト(LD)
第2章 発達障害がある子の支援と学級全体への指導
実例(1)一斉指示が通らない
【なぜ、そうなるのか?】音を選択して聞く力が弱い
【個別の対応策】子どもに注目させてゆっくり話す/たくさんの指示をいっぺんにしない
【学級全体への対応策】静かな環境で視覚的な指示をする/良い行動はどの子もほめる
実例(2)勝手にしゃべり出す
【なぜ、そうなるのか?】ブレーキが利かなくなってしまう
【個別の対応策】注意は低い声で簡潔に/適切な行動をその都度教える
【学級全体への対応策】発言のルールを決めておく/注意するのは先生だけ
実例(3)離席や教室を飛び出してしまう
【なぜ、そうなるのか?】離席や飛び出しの理由は、それぞれ
【個別の対応策】課題の量とレベルを工夫する/授業を区切って構成する
【学級全体への対応策】周りの子を放っておかない
実例(4)読みや漢字が苦手
【なぜ、そうなるのか?】文字の意味を理解していない
【個別の対応策】読みが苦手な子への支援方法/語彙の量を増やしていく
【学級全体への対応策】平等に読ませる必要はない/創作漢字で漢字が好きになる
実例(5)計算でつまずく
【なぜ、そうなるのか?】計算に必要な概念が身についていない
【個別の対応策】数を可視化する/ます目を用意する
【学級全体への対応策】多様な問題を用意する/学びあいの授業を取り入れる
実例(6)会話が一方的になってしまう
【なぜ、そうなるのか?】他人とのコミュニケーションが苦手
【個別の対応策】相手の感情を理解する練習をさせる/会話のルールを教える
【学級全体への対応策】教師が間をとりもつ/居心地のいい学級をつくる
実例(7)順番やルールを守れない
【なぜ、そうなるのか?】ルールをすぐに忘れてしまう
【個別の対応策】あいまいな指示はしない/具体的な場面を想定して教える
【学級全体への対応策】学級の結束力を高める
実例(8)約束や物を忘れてしまう
【なぜ、そうなるのか?】記憶力の弱さがある
【個別の対応策】箇条書きで指示する/家庭と連携して確認する
【学級全体への対応策】忘れたときのルールを決めておく/友達同士で確認させる
実例(9)掃除や係活動が上手にできない
【なぜ、そうなるのか?】曖昧なことが理解できない
【個別の対応策】手順を掲示し、友達の真似をさせる/簡単な仕事から任せる
【学級全体への対応策】周りの子の不公平感をなくす/掃除用具入れを工夫する
実例(10)学芸会の練習が上手くいかない
【なぜ、そうなるのか?】周りの子とあわせるのが苦手
【個別の対応策】配役を工夫する/当日のイメージをもたせる
【学級全体への対応策】作品選びが重要/周りの子の気持ちも配慮する
実例(11)運動会(体育)の参加が難しい
【なぜ、そうなるのか?】ボディイメージがつかめない
【個別の対応策】個別の到達目標を設定する/ボディイメージをつくるための活動
【学級全体への対応策】位置関係を分かりやすくする/勝敗を受け入れられるようにする
実例(12)宿泊行事が心配
【なぜ、そうなるのか?】初めての場所や活動が苦手
【個別の対応策】行程表を掲示する/事前にリハーサルさせる
【学級全体への対応策】グループ編成を考える/安心できるモノの持ち込みを許可する
実例(13)特定の音やにおいを極端にいやがる
【なぜ、そうなるのか?】音やにおいなどの感覚が敏感
【個別の対応策】まずは実態を把握する/徐々に挑戦させる
【学級全体への対応策】教室のなかの刺激を少なくする/違いを理解させる
実例(14)周りの子と問題を起こす
【なぜ、そうなるのか?】過去を思い出しパニックになる
【個別の対応策】タイムアウトの時間が必要/行動を時系列に書き出していく
【学級全体への対応策】相手の子へきちんと説明する/できるだけ刺激を避ける
実例(15)周りの子から不満の声が出てしまう
【なぜ、そうなるのか?】特別扱いが周りの子の不満となる
【学級全体への対応策1】障害名は伝えずに説明する
【学級全体への対応策2】周りの子に対応方法を示す
実例(16)保護者との関係で悩んでしまう
【なぜ、そうなるのか?】保護者には独特の考え方がある
【保護者との対応策1】「子どもが困っている」と伝える
【保護者との対応策2】家庭でできることの限界を知る/専門家などを紹介する前に……
チェックリスト(ADHD)
第3章 発達障害がある子の二次障害への対応策
■発達障害と二次障害
二次障害はどのように発現するのか/二次障害のさまざまな症状/二次障害の症状「自己否定」/二次障害の症状「反抗的言動」/二次障害の症状「不登校、ひきこもり」
■学校での二次障害への対応策
できることを発見してほめる/担任自身のマイナス感情を改善する/特別支援教育支援員を活用する/学校全体での取り組みと専門家の活用
■家庭での二次障害への対応策
家庭を安らぎの場所にする/家庭でもほめて育てる指導を/保護者の自信を取り戻させる/ペアレントトレーニングという方法
■二次障害の予防的対応策を考える
安心できる環境を整える/家庭を徹底的に理解する/子どもの情緒を安定させる
チェックリスト(高機能自閉症)

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