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2024.02.07

第2回 “感じる心”が学びにつながる|Web学校事務「事務職員と“学び”、事務職員の“学び”」

この連載について

全事研の役員となって事務職員の育成や成長ということを考える中で、学ぶことの重要性を強く認識しているところです。もちろん、体系的な研修制度も資質・能力を身に付ける上で大事ですが、まずは事務職員自身が主体的に学び、学んだことを生かして試行錯誤を繰り返していくことが必要だと感じています。「子どもの豊かな学びのためにも、事務職員として学び続けていきたい」。そんな思いで、私自身の経験から“学び”について考えたことを綴っていきます。

共同学校事務室での研修

 共同学校事務室の開室から間もなく6年となります。当初からの重点取組事項の一つに研修の強化があります。共同学校事務室として機能していくためには、組織力の向上はもちろん必要でしたが、個人の資質・能力の向上も欠かすことができないという思いがあったからです。

 共同学校事務室では分業体制を敷いていましたが研修企画だけは室長である私が担当し、室員の資質・能力の向上に取り組んできました。開室2年目には新規採用事務職員(マモルくん)が入ってきたこともあり、研修内容は基礎的なことを中心に、彼の成長に合わせるとともに私たちにはおさらいとなるような研修の構成としていきました。開室5年目に新たに新規採用事務職員が入った際に、マモルくん(4年目)に研修企画担当を任せてみました。マモルくんには、「自分がこれまでに、なにが分からずに困ったか、ここまで成長するにあたってどんなことが重要であったかを考えて、私と相談しながら企画してみてもらいたい」と研修企画をお願いしました。

災害時における事務職員の役割を知る

 その彼が、年明け早々に私に相談してきました。「能登半島地震のニュースを見ると心が痛みます。事務職員として何ができるかを、みんなとともに考えてみたいと思います」

 私はその研修企画の中で3つの話題を提供することとしました。一つにはリスクマネジメントとして防災士の資格を取得し、環境整備や研修に努めている事務職員の事例であります。たくさんの方々が、学び、学んだことを実践に移されています。また、クライシスマネジメントとしての、2018年7月豪雨の際に、事務職員として被災地へ出向いた方のお話も伝えました。そして、インターネットで見つけた東日本大震災を経験した事務職員(加勢法子さん)の研究大会発表原稿*1をみんなで読みました。

 加勢さんの発表原稿は、被災の瞬間の子どもたちの安全の確保、さらには地域住民までも含めた避難所の運営から始まっていました。そう、それは始まりでした。そこから学校再開までの尽力される姿は想像をはるかに超えるものでした。子どもたちに向けて失ったランドセルや教科書の配布、保護者に向けて就学援助の周知、避難者でもある教職員の給与諸手当の支給など、様々な業務を担っていました。きっとその発表原稿でも書ききれないほどのことをされていたこともうかがい知ることができました。しかし、加勢さんから私たちが何よりも学んだのは、“事務職員の役割”ではなく、“事務職員でもできること”でした。不安を抱えた子どもに寄り添い、声に耳を傾け、涙を拭いてあげたり、ともに涙したりしていたのです。私たちは一人の大人として、もっと子どもに注目していこうと胸が熱くなりました。

今、被災地では

 この記事を書くにあたり改めて石川県白山市の事務職員である宮本健司さんに状況をうかがいました。彼自身は被災されていないとのことでしたが、多くの友人が辛い思いをされているとのことでした。また、市内の中学校では輪島市から中学生の集団避難を受け入れています。そして、多くの教職員や生徒が少しでも落ち着いて学べる環境づくりに努めているとのことです。さらには、宮本さんご自身も志願し、事務職員として能登町の学校再開支援に行かれていました。

避難所となっている能登町の学校の様子(宮本健司さん提供)

“感じる心”が学びにつながる

 マモルくんの話題提供により、みんなで災害時の対応について研修する機会を得ました。彼のこの“感じる心”こそが事務職員としての5年間の成長でありましょう。災害報道を見て心を痛めた方はたくさんいたでしょう。それにとどまらず、身の回りで起こった時のために何を備えるか、あるいは今すぐにでも、離れたところからでもできることはないかと考えられるようになった彼を誇りに思います。彼に研修担当を任せて本当に良かったです。そして、彼の投げかけを受けて、室員全員が新たな気付きを得ました。事務職員である前に、一人の大人として子どもたちのためにできることがたくさんあるのです。

 加勢さんは、発表原稿を次のように締め括っています。「私は学校事務職員として、『個人』の力を『組織』の力に変えて、『“学校事務職員の和”で奏でる、こころ豊かな教育環境づくり』を目指していきたい」。私もそんな共同学校事務室をマモルくんたちとつくっていきたいと思っています。


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