スクールプランニングノート誕生のストーリー
今年で発売12年目を迎える「スクールプランニングノート」(以下、SPノート)。おかげさまで、教師向け手帳の先駆けとして、手帳6種類、別冊ノート4種類の人気シリーズとして定番商品となりました。第3回は学校運営に欠かせないMタイプ(教頭・副校長・教務主任向け)とJタイプ(学校事務職員向け)のお話です。

スクールプランニングノート誕生のストーリー
今年で発売12年目を迎える「スクールプランニングノート」(以下、SPノート)。おかげさまで、教師向け手帳の先駆けとして、手帳6種類、別冊ノート4種類の人気シリーズとして定番商品となりました。第3回は学校運営に欠かせないMタイプ(教頭・副校長・教務主任向け)とJタイプ(学校事務職員向け)のお話です。
初版の2012年度版から3年。2015年には小学校教員向け・Aタイプと中学・高校教員向け・Bタイプに分かれてリリースされました。この時、同時に開発を進めていたのが、Mタイプです。
ユーザーからいただくアンケートはがきの中で、A・Bタイプを生み出した校種による違いの指摘と同じように目立っていたのが、「教頭をしているが、教員向けではどうも使いにくい」「専用の手帳を作ってほしい」といった教頭・副校長先生の声でした。そこで、A・Bタイプの開発と並行して、全国公立学校教頭会、全国高等学校教頭・副校長会に足を運び、アンケート回答と取材の協力をお願いしたのです。
取材では、現役の教頭・副校長先生に、どんな手帳をどのように使っているか、実物を見せていただきました。
本当に驚きました――。
大判サイズの手帳にびっしりと書き込みがあり、さらに記録用に別のノートを使われている方がほとんどだったのです。書き込まれている内容も多岐にわたっていて、ご自身の予定だけでなく、むしろ、校長先生や教職員の出張、教職員以外の人の出入りなど、学校の一日がすべて網羅されていました。これだけの情報をお一人で管理されているなんて――。「手帳の作り甲斐がある!」と、思わず熱が入ったのを覚えています。
「学校で最も多忙」と言われる教頭・副校長先生にこそ専用の手帳が必要――そんな思いで試行錯誤を続け、A・Bタイプの刊行に遅れること1年、2015年の秋に初めてMタイプ(2016年度版)を世に送り出すことができました。

SPノートの特徴は、毎年アンケートはがきをもとに改良をしていることです。Mタイプも、アンケートのご意見を参考にしながら、数年間かけて改良を重ねました。
例えば、週間計画表。
当初の項目は、左から「予定(来客・会議等)/ToDo/提出物締切/メモ/校長予定/教職員の指導・育成等」となっていました。「教職員の指導・育成等」という項目は、当時、全国公立学校教頭会が行った調査の中で教頭の「最もやりがいのある仕事」に挙がっていたもので、手帳にその項目を入れることで、意識的に向き合うことができるのではないか、との思いから入れました。
しかし、初年度の2016年度版アンケートはがきでは「教職員の指導・育成欄は使わない」「そんな時間は到底とれない」という悲しい結果に……。翌年度版では泣く泣くこの項目を削り、「校長予定/予定(来客・会議等)/教職員や生徒の動向/ToDo・メモ/提出物締切」の5項目に変更されました。
また、当初「一番忙しい教頭先生に週末くらいはゆっくり休んでほしい」との願いを込めて小さめ にとっていた週末のスペースは、「土曜日は仕事が入る」「平日程度のスペースが必要」とのご意見が多かったことから、最低限の内容が書き込めるスペースに落ち着きました。
いまでは「これがないと仕事にならない」と言っていただくなどヘビーユーザーの多いタイプに成長しています。

皆さんはご存知でしょうか。学事出版株式会社の始まりは「学校事務」。「学校」と「事務」から一文字ずつとって「学事」の名が会社名になりました。いまでも学校事務職員向けの月刊誌『学校事務』は業界唯一の専門誌で、事務職員向けの書籍の刊行数もかなりの数にのぼります。
そんな学事出版ですから、「学校事務職員向けの手帳は出ないの?」という声が出てくるのは自然なことでした。私たちも、大事にしてきた学校事務の分野で手帳を出すことにはとても大きな意味があると感じ、「何としてでも出したい」と動き出しました。新型コロナ流行前、2019年頃のことでした。
学校事務分野では、雑誌を核としたネットワークがすでにあることで、アンケートやモニターはスムーズでした。全国公立小中学校事務職員研究会(通称「全事研」)が年に1回開催している全国大会(第51回岡山大会)にもお邪魔しました。制作担当Tは初めての全事研大会参加でしたが、全国から集まった学校事務職員さんたちの熱気に圧倒されました。書籍販売ブースの片隅に、プロトタイプ版を広げ、興味を示してくださった方に直接意見をお聞きするという、非常に収穫の大きい大会でした。
Jタイプの刊行は2019年末(2020年度版)。発売直後から新型コロナウイルス感染症が広がり、改良はアンケートからのフィードバックが頼みの綱となりました。

Jタイプの特徴として、週間計画表の右ページ上部に掲載された「事務職員一口コラム」があります。
これは、全国の学校事務職員さんから募っているもので、毎年いくつかの「お題」に沿って募集し、掲載しています。お題は「仕事でやりがいを感じるとき」「仕事のひと工夫」「おすすめ文房具」などで、ちょっとした実践交流の場となっています。小中学校では学校に一人か二人という少人数、また、地域や校種によって担っている業務も異なっている職だからこそ、同業同士のつながりや情報交換がとても大事なのです。
ちなみに、月刊誌『学校事務』2024年3月号では、「どんな仕事にワクワクしますか?」という特集記事が組まれており、現役事務職員さんに取ったアンケート結果がまとめられていました。SPノート制作担当としても、とても興味深い内容で、「え!それが1位!?」とますます学校事務職員さんのことが好きになりました。

これまで3回にわたり、SPノートの誕生ストーリーを綴ってきました。お読みいただきありがとうございました。
使ってくださる方一人ひとりにとって「これは“私の”手帳だ」と思え、使っていて「心地いい」と感じられる――そんな手帳を目指して、これからも皆さんの声に耳を傾け、改良・進化を続けていきたいと思っています。
皆さんと一緒につくりあげるSPノート――これからもご愛用いただければ嬉しいです。
(完)

