2024.12.25

第12回 1月のホームルーム経営|Web月刊ホームルーム 安心できるホームルームづくり

この連載について

チームSMASHは、現役高校教師4人による研究・実践チームです。安心して過ごせる学級・ホームルームづくりを中心に、生徒支援や進路支援、学習支援など、担任が生徒にできるサポートについて日々研究と実践を重ねています。本ウェブコラムでは、全国の学校で奮闘する先生方のヒントになるようなコラムを執筆します。月ごとに学級・HRの特徴を解説し、その上で、「生徒支援・教育相談」「学習支援」「進学支援」「就職支援」のカテゴリ別に、担任がこの時期にやっておくとよいことや、気を付けておくことなどをお伝えします。

1月のホームルームはどんな感じ?~年度末に向けて見通しをもつ大切さ~

 短い冬休みが明けると、「一月往ぬる二月逃げる三月去る」という慣用句どおり、年度末に向けて忙しくなります。特に担任は、指導要録の所見欄を記入し、成績を締め、出欠席の日数や欠席理由を確認するなど、ミスができない事務作業に追われます。できるだけ冬休みが明けるまでに、1月から3月までのおよそ90日間の全体スケジュールを俯瞰し、いつまでに何をするのか見通しを持つことと、どこに「余白」が残っているのか確認しておくことが重要です。

 冬休みが明けた最初のホームルームでは、生徒に新年を迎えてどのような1年にしたいのか、抱負を発表してもらったり、ワークシートを用意して記入してもらったりするとよいでしょう。生徒たちのこの春からの成長をきっと感じることができると思います。

 また、1・2年生の担任であれば進級に向けて、3年生の担任であれば卒業に向けてスケジュールを確認し、生徒にも「余白」でどのような学習をするのか、見通しをもつ重要性を伝えたいところです。さらに、担任として生徒と十分に面談する時間が取りにくいですが、指導要録を記載するための補完として、気になる生徒だけでも、頑張ってきた点や進路意識を確認するための短時間の面談がおすすめです。

(佐藤革馬)

1月の生徒支援・教育相談 ~冬休み明けのシグナルをとらえる~

 年末年始は部活動も休みになることが多く、家族と過ごす時間が長くなることで、家庭でのトラブルが深刻化することがあります。冬休み前に見守りが必要な生徒をあらかじめ確認しておきますが、改めて冬休み明けに見てみると、身だしなみや言葉遣い、態度などに変化が現れることがあります。そうしたシグナルをしっかり捉えたいですね。

 変化を感じたら、言葉がけをして、必要に応じて生徒の話をじっくり聴きましょう。面談をすると、ややもすると冬休みの時期の話に絞りがちかもしれませんが、新年を迎えて、教師、生徒とも新たな気持ちで臨もうとしていると思います。少し長いスパンで捉えて考えるきっかけになるかもしれません。

 まずは「どんな一年にしたいのかな」と一年の見通しなど前向きな話をしてもいいかもしれませんね。一方で、年度末も近づいてくる頃ですから、一年を俯瞰することで、新たな年度を展望する年度末への日々にしていきたいですね。

 また、年度末に近づいているからということで我慢させたり、放置したり…とはならないようにしたいところです。年度当初におきる生徒同士のトラブルは、年始から年度末にかけて起こっていることを引きずっていることも多くあります。慎重に対応し、申し送りができるように記録もしっかり付けておきたいですね。

(宮﨑亮太)

 

この時期に行う学習支援~不得意科目について、再び基本の確認を~

 新年を迎えるにあたって抱負を述べる際、学習面においても気持ちを新たにしていくことが考えられます。そんな切替の時期だからこそ、声掛けや生徒のやる気を促す仕掛け一つで生徒の大きな成長につながることがあります。

 例えば、成績を振り返る場面で、「1月からどのような学習計画を立てていこうか?」と声掛けを行い、生徒がまずは自分で取り組める計画を準備させます。そして、1月になり、取り組めているかを確認する際に、「この前、自分で考えた勉強の取り組みはどこまでできたかな。一度、取り組んできた勉強を一緒に確認しない?」という風に寄り添ってあげましょう。

 生徒にとっては、それぞれの教科において得意・不得意があり、特に不得意な科目では早期の積み重ねが重要です。また、不得意科目が主要科目であれば、これまで積み重ねをしてきた知識を再確認することも必要になってきます。次の学年に向けて、これまで学習してきた事項の抜けもれがないかを確認していくことが大切です。

 この1月から3月にかけて、再度、基本的な事項を確認していきながら、実力を伸ばしていくことです。学年が変わるという切替の時期を迎えるタイミングだからこそ、学習面でも効率よく学習に励むことができるように働きかけていきましょう。

(鈴木智博)

この時期に行う進学支援~進学する3年生はいよいよ共通テスト~

 1年生は、次の学年に備えて自身の進路を考えたり、2年生は今年の受験生が受験する大学入学共通テストの同日模試を受験したりと、次年度に向けて準備を進めていることでしょう。

 3年生は、大学入学共通テストが目の前にせまり、いよいよ受験シーズンがやってきます。進学を考えている全国の受験生が一斉にこの試験を受験します。改めて、当日までの流れや、受験票で会場の確認、当日の試験の順番等しっかりと確認させましょう。

 そして、受験の際には、自分が解答した内容を問題用紙に記入させることも忘れずに伝えましょう。2日間の試験が終わり、その翌日には、自己採点が待っています。自己採点の結果をすぐに各予備校に送って、志望校への合否の可能性を判定してもらうのです。その結果を見て、志望校を変更する生徒も出てきますし、滑り止め等の戦略も立てなければなりません。生徒も初めての経験になると思うので、出願する大学について一緒に考えながら、サポートしていきましょう。

 しかし、受験の合否によって、途中で躓いたり、気持ちが折れてしまったりする生徒も必ず出てきます。その生徒に対しては、気持ちに寄り添いながら、次の一歩を踏み出す手助けを一緒に考えていきましょう。

(浅見和寿)

この時期に行う就職支援~「ワークルール教育」のすすめ~

 就職活動中の生徒だけでなく、就職内定をもらった生徒、そして進学が決まった生徒にも、卒業するまでの時間で、「働くときのルール」について学ぶ時間を作りたいところです。

 2017年に、日本弁護士連合会が「ワークルール教育」を推進するための法制定を求める意見書を厚生労働大臣と文部科学大臣に提出しました。ワークルール教育とは「ワークルールに関する基礎的な知識を付与するとともに、職業生活において生ずる諸問題に適正に対処するために必要な分析力、交渉力及び問題解決力を育むもの」とされています。

 実社会において、長時間労働や残業代の未払い、パワーハラスメントなど、働いていれば誰でも困難に遭う可能性があります。そこで、それらの困難に対する対処方法や、専門機関の相談窓口を知っておくことで、卒業後、安心して働くことができます。 単なる法律を学ぶのではなく、働くときの心構えを持ってもらうための取組みです。

 ハローワークの労働法制周知事業を活用すると、ハローワークの職員が学校に出向き、職業についての講義・講話を実施してくれます。また、 厚生労働省のホームページから「これってあり?~まんが知って役立つ労働法Q&A~」をダウンロードして教材として活用することができます。

 生徒たちが社会に出るときの不安を少しでも解消し、卒業式を迎えたいですね。

(佐藤革馬)


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