2025.04.30

第1回 オリエンテーション――連載の目的と読者のターゲット|ヤナギサワ事務主幹と考える学校とお金の話

 はじめまして──「スマートスクール」(以下、スマスク版)から引っ越してきましたヤナギサワと申します。あちらでは「ヤナギサワ事務主査と考える──学校とお金の話」というタイトルで連載をしていました。引っ越しのついでにタイトルも「主査」から「主幹」へグレードアップさせ、より充実したコンテンツをめざしたいと考えています。あ、勝手にグレードアップさせたんじゃなくて、ちゃんと「試練」を受けた結果です(スマスク版「第1回:教育活動と学校事務」参照)。 まず、自己紹介からするべきでしょうが、そのへんもスマスク版「第1回」を参照いただくとして、さっそく本題に入っていきましょう。

連載の目的

 この連載の目的は、公立小・中学校における教育財政領域(給与規程・就学支援・学校財務) *1の制度解説と情報提供、実践紹介と課題提示です。①法律や条例などの規程から重要なポイントを抑えて解説しながら、最新の政策も紹介します。②教育財政領域のマクロ的な部分だけではなく、ミクロ的な部分──換言すれば学校現場における実践の紹介やそれに伴う課題もあわせて考えていきます。③お金のことは難しいとよくいわれてきましたが、そうならないように「むずかしいことをやさしく……」の井上ひさし氏を見習い、「やさしく」だけど「ふかく」ということも心がけます。

 もうひとつ最初にいっておきたいことは、教育財政領域ってホントに「難しい」のか──、ということです。あんまり考えたことがないから「難しい」と感じるだけなのか、教えられた経験が少ないから「難しい」と思ってしまうだけなのか、などという検討も必要でしょう。「お金のことは事務職員や管理職がなんとかしてくれる」「初任者研修や中堅研修では触れられていなかった」 *2というようなロジックで遠ざかっていただけなんじゃないかとも考えられます。

 あとは、「授業と関係ないし、教員が知っておくような領域ではない」ということもあるかもしれません。そう思われるようでしたら、スマスク版の第2回~第12回、第19回~第24回を熟読してほしいです。教員がおもに担当する領域を「教育『財政』領域」に対応させ、「教育『指導』領域」と呼び、それとの関係性を考えてきました。生徒指導や教育相談、学校給食、学校安全、学校保健、特別支援とお金のかかわりです。学校給食は給食費という、わかりやすい「財政」がみえてきます。しかし、生徒指導や教育相談にもそれは見え隠れしています。……スマスク版スマスク版と少々、いやかなりしつこいですが、スマートスクールに足を向けて眠れない事務職員は多いでしょう(笑)

意識する読者のターゲット

 文章の話題を変えたいとき、そんなときに役立つのが「小見出し」ですね。はい、それでは「小見出し」に従って、読者対象の話題へと移りましょう。だれに読んでほしいかという話です。もちろん管理職や保護者にも読んでいただきたいですが、ここでは若手教職員をターゲットにします。そのため、回りくどい説明もあるかもしれませんし、そんなこと常識だよっていうような説明もすると思います。この連載が「教育財政領域」の教科書(研修テキスト)となるように意識していきますので、どうぞご理解ください。
 次回は、本編その①「給与規程」に入っていきましょう。

 


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栁澤先生からコメント

就学支援、文書管理、学校財務、施設設備──それに加えて組織運営や地域連携、 危機管理、情報管理などというようにそれぞれで研究・実践されてきた領域の全部を大集結させた〈大全〉が完成しました。この業界では「事務職員必読の1 冊!」というキャッチコピーをよく使いますが、本書こそがそのコピーにふさわしく、新しい時代の学校事務=「つかさどる」時代の学校事務を牽引していくことまちがいなしの〈大全〉でしょう。


「隠れ教育費」研究室・チーフディレクター
埼玉県公立中学校/事務主幹。「事務職員の仕事を事務室の外へ開き、教育社会問題の解決に教育事務領域から寄与する」をモットーに、教職員・保護者・子ども・地域、そして社会へ情報を発信。研究関心は「教育の機会均等と無償性」「子どもの権利」「PTA活動」など。主な著書に『学校事務職員の仕事大全』(編著、学事出版)、『隠れ教育費』(共著、太郎次郎社エディタス)、『教師の自腹』(共著、東洋館出版社)、『学校事務職員の実務マニュアル』(共著、明治図書出版)など。
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