この連載について
全事研の役員となって事務職員の育成や成長ということを考える中で、学ぶことの重要性を強く認識しているところです。もちろん、体系的な研修制度も資質・能力を身に付ける上で大事ですが、まずは事務職員自身が主体的に学び、学んだことを生かして試行錯誤を繰り返していくことが必要だと感じています。「子どもの豊かな学びのためにも、事務職員として学び続けていきたい」。そんな思いで、私自身の経験から“学び”について考えたことを綴っていきます。

この連載について
全事研の役員となって事務職員の育成や成長ということを考える中で、学ぶことの重要性を強く認識しているところです。もちろん、体系的な研修制度も資質・能力を身に付ける上で大事ですが、まずは事務職員自身が主体的に学び、学んだことを生かして試行錯誤を繰り返していくことが必要だと感じています。「子どもの豊かな学びのためにも、事務職員として学び続けていきたい」。そんな思いで、私自身の経験から“学び”について考えたことを綴っていきます。
春休みの廊下で、納入された備品の梱包を解いていると、生徒会役員の生徒に「少しお時間をいただき、お話をうかがっても良いですか?」 と、とても丁寧に話しかけられました。もちろん喜んで話を聞くと、先生方の紹介文を作成するにあたり、みんなに質問をしているとのことでした。そして、一つ目の質問が、「“MBTI”はなにですか?」と、私にはいきなり理解のできないものでした。“MBTI”を知らないことを伝えるとともに、それは一体なになのかを尋ねると、生徒たちが言うにはインターネット上で気軽にできる「性格診断テスト」でわかる、16の性格タイプのことだそうです*1。続いて生徒からは、「チャームポイントはなにですか?」と、これまた難しい質問が飛んできます。困りながら、白髪と言うと、生徒がビックリした表情に変わったので、 慌ててグレーヘアーと言い直すと、なんとかチャームポイントとして認めてもらえたようです。このようにたじたじになりながらも、全ての質問に回答を終えると、「お時間をいただきありがとうございました。」と、丁寧にお礼を言われました。いえいえ、こちらこそありがとうです。
その後、この質問の内容をどこで使うのか(もちろん推測はできていたのですが)を尋ねると、新入生歓迎会で使うとのことで、新しい環境にとまどう新入生に、少しでも早く慣れてほしいとの思いから、学校のいろんな情報を提供するのだと話してくれました。
うちの学校も不登校傾向の生徒が少なからずいるのですが、こんな生徒に囲まれていれば、展望は開けていくのではないかと、とても嬉しい気持ちにさせてもらえました。
令和5年度の小・中学校の不登校児童生徒数は、全国で約34万6千人もいるのだそうです(「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」R6.10.31文部科学省初等中等教育局児童生徒課)。このため、文部科学省では誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策として、「COCOLOプラン」を取りまとめました。

COCOLOプランでは、不登校により学びにアクセスできない子どもたちに対して、
ことにより、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現することを目指しています。そして、その中では、学校に行きづらい児童生徒のために通常よりも授業時間数が少ないなど、柔軟に学ぶことができる“不登校特例校”や、学校には行くことができるけれど自分のクラスには入れない時、また、少し気持ちを落ち着かせてリラックスしたい時に利用できるような、学校内の空き教室などの空間を活用した“校内教育支援センター”などにも言及されています。
さらには、これらの取組の実効性を高めるために、一人一人の児童生徒の不登校となっている要因や、行っている取組がどのような学びにつながっているかなどの分析・把握を強化するとのことです。また、1人1台端末を活用して不登校の早期発見につなげることも促しています。その上で、子どもたちへのアプローチだけではなく、教師が子どもと接する時間を確保するための働き方改革に向けて、教職員定数の改善や支援スタッフの配置なども謳われています。
ところで、勤務校の4月前半の、給食の献立表には、揚げパンやハンバーグ、豚汁といった児童・生徒に人気のメニューが並んでいます。 これは栄養教諭の考える不登校対策の一つです。素敵ですよね。長期休業明けは身体のリズムも整わず、学校に行きたくない気持ちは子どもに限らず多くの人が共感できるところでしょう。さらにそれが新年度となると、新しい友達や先生との関係づくりも相俟って、不安は大きくなることが想像できます。ましてや、新入生にとっては学校そのものが変わるわけですから、その不安はとても大きいものでしょう。 そんな不安がありつつも、実は揚げパンに惹かれて登校する児童や生徒がいると相談員から聞きました。正にCOCOLOプランでいうところのチーム学校での支援ですよね。
うちの学校で言うならば、そのチーム学校に生徒会役員を代表とした生徒自身も加わっていることが分かりました。現在は、新入生歓迎会だけでなく、生徒が主体となった校則の見直しも進んでいるところです。これからもみんなが安心して学べる環境づくりが推進されていくことでしょう。
さて、生徒たちが言う「性格診断テスト」をネットでやってみました。私は“討論者タイプ”とのことでした。“好奇心があり討論好きで頭の回転が速いタイプ”で、“鋭い洞察力”と良いことも書いてくれているのですが、“他人への言い方が厳しくなることもある”とのことです。思い当たる節があるので、今年度は気を付けていきたいと思います。
前田先生からコメント
事務職員の標準的な職務にも示された学校教育におけるICTについて、事務職員の視点から捉えた書籍『教育ICTがよくわかる本』の発行に携わらせていただきました。それぞれに現場で実践されている事務職員の素晴らしい取組も載っています。学校の現状や、取組の背景、うまくいったこと、うまくいかなかったこと、取組を通して実践者が学んだことなど、読み手にとって考えを広げてくれる本であると強く感じています。事務職員のみなさんの学びのきっかけとなること、そして、事務職員以外の方々には、事務職員との協働や、事務職員の活用を促進していただくきっかけとなることを期待しています。






