この連載について
この連載では、広く、学校で働く教職員、保護者、地域の皆様に向けて、2022年12月に改訂された『生徒指導提要』や、国の施策、国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センターで行っている調査研究などをもとに、生徒指導の基礎・基本をご紹介していきます。特に、2025年1月からは、いじめや不登校などの生徒指導上の諸課題をテーマに連載をします。

この連載について
この連載では、広く、学校で働く教職員、保護者、地域の皆様に向けて、2022年12月に改訂された『生徒指導提要』や、国の施策、国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センターで行っている調査研究などをもとに、生徒指導の基礎・基本をご紹介していきます。特に、2025年1月からは、いじめや不登校などの生徒指導上の諸課題をテーマに連載をします。
本連載では、2年目となる第13回から、「新しい生徒指導と『生徒指導上の諸課題』の関連」を個別の課題に分けて取り扱っています。第13回から第17回までは「いじめ編」をお送りしてきましたが、今回から「不登校」をテーマに論じていきます。
文部科学省が毎年度実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(以下「問題行動等調査」とする。)の令和5年度の結果によれば、小中学校の不登校児童生徒数は346,482人と過去最多を更新しました*1。高校の不登校生徒数は68,770人と令和2年度以降上昇傾向が続いています。令和5年度の小中高校の不登校児童生徒数を合わせると、415,252人に上ります。
不登校とは、より広い概念である「長期欠席」の内に含まれるカテゴリーの一つです。「問題行動等調査」では、「児童・生徒指導要録」の欠席日数が年度間30日以上の児童生徒を理由別に調査し、集計していますが、該当する児童生徒一人一人の長期欠席の理由を「病気」、「経済的理由」、「不登校」及び「その他」の4つの中から、(学校が)選択することとしています*2。また、「児童・生徒指導要録」の「出欠の記録」欄のうち、「備考」欄に、校長が出席扱いとした日数が記載されている場合は、その日数についても欠席日数として含めるとされています。
「校長が出席扱いとした日数が記載されている場合」とは、当該児童生徒が在籍している学級以外、とりわけ、学校外の機関等で専門的な支援を受けた場合が該当します。例えば、教育支援センターやその他の教育委員会所管の機関、あるいは、民間団体や施設、ICT等を活用した学習活動などが挙げられます。ただし、学校外での学習活動が無条件に指導要録上の出席扱いになるわけではなく、その用件については関連通知で示されています*3。正規に在籍している学級以外で学習した場合、要件を満たして出席扱いになったとしても、「問題行動等調査」においては長期欠席児童生徒(特に、不登校)としてカウントされることとなります。
長期欠席の内、不登校の定義は、以下とされています。
表1 不登校の定義
何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く。)
「問題行動等調査」では、平成27年度の調査から、年度間30日以上欠席した不登校児童生徒のうち、90日以上、出席日数10日以下、出席日数0日と欠席日数を期間別に公表しています。平成27年度から令和5年度の小中高校の不登校児童生徒の欠席期間別の実人数の推移について、校種ごとに、図1、図2、図3にそれぞれ示します。
いずれの校種においても不登校児童生徒数が増加していること、とりわけ、小中学校に関しては、「欠席日数30日以上、90日未満」だけでなく、「欠席日数90日以上、出席日数11日以上」、「出席日数10日以下、1日以上」、「出席日数0日」も増加傾向にあることがうかがえます。欠席日数90日以上とは、年度内の全登校日の約半分以上を欠席していることを意味しており、これらに該当する児童生徒は、学校から比較的長期に渡り、離脱していると推測されます。令和5年度調査によれば、不登校児童生徒のうち、欠席日数90日以上の者が占める割合は、小学校で約44%、中学校で約61%となっています。なお、高校に関しては、不登校が長期化する前に、進路変更(例、別の高校へ転校、就職、高卒程度認定試験の受験)等で中途退学する可能性もあるため、グラフを解釈する上で、注意が必要です。



令和5年度の不登校児童生徒の学校内外の機関等での相談・指導等の欠席期間別利用状況を表2、表3、表4に示します。「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(平成28年12月成立、平成29年2月施行)の成立以降、オルタナティブな学びの場は、徐々に広がりを見せ、着実に普及しつつありますが、欠席日数90日以上の不登校児童生徒のうち、小学校では16,811人(12.9%)、中学校では50,265人(23.3%)、高校では4,396人(6.4%)が、学校内外の機関等での相談・指導等を受けていない状況であり、学校を離脱した、あるいは、離脱せざるを得なかった児童生徒への学びの保証を着実に進めることが求められます。
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