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2025.12.24

第9回 UD? OKJ? 自由進度学習? 子どもの『学びの差』について、どう考えて授業をつくる?| 悩みを解決する「教育書」~あなたによく効く書方箋~

この連載について

悩める先生方からいただいた日々の仕事の中で困っていること・助けてほしいことなどのお悩みに対し、処方箋…書方箋として教育書を紹介します!
コンシェルジュは、教育書を読み漁り、その蔵書は1000冊以上!という現役小学校教師・ りょー先生こと杉本遼さん。
ただただ悩みに合った書籍を紹介するだけではなく、りょー先生がその本から学び、実践してきた経験を交えながら、解決への糸口を見つけ出していく、まったく新しい実践的ブックレビュー企画です!! 


また、本連載では読者の皆さまよりお悩みを受け付けております!
りょー先生に相談してみたい!という方はこちらのフォームよりご応募ください!!

 

◉今回の質問

「子どもたちの学力の差に困っています。」

小学校で働いています。特に、算数で感じますが、真面目に授業を聞いていても理解に時間がかかる子っていますよね。自由進度学習を取り入れられている先生方も増えてきましたが、ハードルが高くてまだ行えていません。一斉指導がメインで、その中にペア交流やグループ交流など取り入れている状況です。
りょー先生の、子どもたちの学力の差への対応を教えていただけると嬉しいです。

(ゆうゆう★さん 小学校教員 福岡県)

1 今回のテーマ

授業をしていると、子どもたちの「学びの差」を強く感じる瞬間があります。
意欲、知識、理解、取り組みの速さ…そのどれもが子どもによってちがいます。

一生懸命に耳を傾けているのに、理解にもう少し時間が必要な子。
説明を聞いただけで、すぐに次のステップに進める子。
友だちの話を聞いて「あっ、そういうことか」とつかむ子。
――どの学級にも、授業中の子どもの姿は本当にさまざまです。

しかし、教室には多くの子どもが在籍するのに対して、教師は一人。授業を進める役割(T1)と、子どもを個別にサポートする役割(T2)を、一人の教師が同時に担わなければなりません。
その結果、教師の意図したスピードに合わせられない子を「遅れている」と捉えてしまい、苦しさを抱えることもあります。

得意や不得意、経験、興味の向き方、理解の仕方など、さまざまな要素が重なって生まれる子どもの“学びの差”はあって当然のもの。だからこそ教師は、この差を前提に授業づくりをしなければなりません。

テーマは「UD?OKJ?自由進度学習?子どもの『学びの差』について、どう考えて授業をつくる?」。
今回も書籍を“糸口”として、この課題への解決のヒントを探っていきます。

 

悩みと疑問によく効く「書方箋」出しておきまーす!

 

2 書方箋

『教え上手』(サンマーク出版)
有田和正 著

有田和正先生は、「子どもを巻き込む授業」には、あえて“仕掛け”のある教材(=どこか欠けている教材)を提示することが大切だと述べています。
子どもは欠けている部分をそのままにはできません。見つけた瞬間に、「あーだ、こーだ」と“突っ込み”たくなるのです。

この教材の“仕掛け”によって、理解の速い子だけでなく、じっくり考える子も含めて、多くの子どもを同じ学びの土俵に乗せることができます。
欠けた部分への突っ込みがきっかけとなり、子どもたちの中に自然と「考えたい」「話したい」という意欲が生まれます。

つまり、教材の仕掛けは、子どもの「差」を減らし、全員が主体的に教材へ関わりたくなる授業をつくり出すことができるのです。

 

『教材に「しかけ」をつくる国語授業 10 の方法—文学アイデア50』
『教材に「しかけ」をつくる国語授業 10 の方法—説明文アイデア50』
(ともに東洋館出版社)
桂聖 編著・授業のユニバーサルデザイン研究会沖縄支部 著

著者名にある「授業のユニバーサルデザイン(UD)」とは、「特別な支援が必要な子を含めて、通常学級の全員の子が、楽しく学び合い『わかる・できる・探究する』ことを目指す授業デザイン」です。
関連する本は数多くありますが、この本はその中でも特に、「子どもが自然と学びに向かう“教材のしかけ”」について、とてもわかりやすく整理しています。

たとえば、順序がちがっていれば「直したい」と思いますし、選択肢から自分の立場を選べば、その理由を自然と考え始めます。また、何かが“隠されている”だけで、子どもは「知りたい!」と前のめりになるものです。

桂聖先生は、教材に“しかけ”をつくる方法を次の10にまとめています。

①順序を変える
②選択肢をつくる
③置き換える
④隠す
⑤加える 
⑥限定する
⑦分類する
⑧図解する
⑨配置する
⑩仮定する

これら10の方法は国語科だけでなく、あらゆる教科で応用できます。
教材に少しだけ“しかけ”を加えることで、クラス全体の思考が一斉に動き出す。
そんな授業づくりのヒントがこの本にはたっぷり詰まっています。

 

『「教えて考えさせる授業」を創る』(図書文化社)
市川伸一 編

市川伸一先生は、「教えて考えさせる授業(OKJと略します)」という授業観を提案しています。これは、一方的に“教え込む”授業でも、逆に子どもに“考えさせるだけ”の授業でもありません。

「教えて考えさせる授業」は、次の4つの過程で構成されます。

①教師の説明
②理解確認
③理解深化(考える活動)
④自己評価

この4つの学習過程によって、“学びの差”に対応しています。
必要な知識や見通しは、まず教師がしっかりと“教える”。
そのうえで、子どもが自分の力で“考える”時間と課題を設定し、思考を深めるチャンスをつくっていく――
このように “教える”と“考えさせる”のバランスの取れた授業観 がOKJの特徴です。

これにより、

・進んでいる子には足踏みさせない
・ゆっくり理解する子も置き去りにしない
・「すべての児童・生徒にやりがいのある授業」
・「確実な定着と、理解・活用・思考・表現を促す授業」

をめざします。

つまり、子どもの差を前提にしながら、全員が参加できる授業構造を設計する方法が、この「教えて考えさせる授業」です。

 

『個性化教育へのアプローチ』(明治図書出版)
愛知県東浦町立緒川小学校 著

「自由進度学習」は、近年注目されている「個別最適な学び」を象徴する実践の一つです。
本書では、自由進度学習の当時の呼称である「週間プログラム」について、次のように説明しています。

・教科で個別的な学習活動に力点を置いたプログラム。
・複数の教科(単元)を同時並行的に自由な進度で学習できるように工夫した学習活動。
・子どもたちが自ら学習活動を計画できる。
・子どもたちには単元の目標、学習時間数、標準的な学習活動の流れを示した「学習のてびき」が配られる。
・子どもが自分のペースに合わせて、単元、時間、学習活動の流れを組み立て、そのプログラムで自学する。

緒川小学校は、「子どもたちの学習の態様(=子どもの側に立った学習活動のまとまり)」という観点から、学校全体の学習活動を6つの学習プログラムに整理し直しました。その中の一つとして位置づけられたのが、自由進度学習です。
自由進度学習の理念は、まさに「子どもの差に応じる」学びそのものです。
理解の速さや興味の方向性が異なる子どもたちが、それぞれに合ったスピードと方法で学ぶことができます。
 

 『新装版 教科の一人学び「自由進度学習」の考え方・進め方』(黎明書房)
小山儀秋監修/竹内淑子著

本書は、一人ひとりの個性に合わせて深い学びを実現する「自由進度学習」について、その考え方・進め方・環境づくり・教師の構えなどを、豊富な資料とともに詳しく解説しています。

この本では、自由進度学習は、次の4つの段階があると書かれています。

①ガイダンス
単元のはじめに、プレゼン資料やプリント、学習の手引きを使って、単元の目標・学習課題・学習の流れをつかみ、全体の見通しをもつ。

②計画
学習の手引きを参考にしながら、計画表に自分で学習の進め方を書き込み、見通しをもった学習計画を立てる。

③追求
学習カードなどを使って、原則として一人で学習を進める(教え合いを認める場合もある)。
途中で自己チェックと教師チェックを行い、定められた到達ラインに向かって取り組む。
到達ラインをクリアした児童は、さらに 「発展課題」 に挑戦する。

④まとめ
学級または学年で、学習内容の確認や成果の共有を行い、単元を振り返る。
自由進度学習のプロセスが体系的に整理され、実際の授業づくりにすぐに活かせる構成となっています。子どもが自分の力で学びを進めるために、教師は何を整え、どんな関わり方をすべきかが具体的に示されています。

 

ちなみに、後ろの2つで、自由進度学習についての書籍を紹介しましたが、一斉授業と自由進度学習については第6回のご相談でもお話ししております。よろしければ合わせて見てみてください!
→「「子どもに任せる授業」どうすればいい?| 悩みを解決する「教育書」~あなたによく効く書方箋~」

 

3  効能・効果(この本から得られる質問・悩みへのヒント)

「令和の日本型学校教育」では、
“個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実”が求められています。

この言葉には、

・「一斉の授業だけでは、すべての子に合うとは言いがたい」
・「もっと“子ども一人ひとり”に寄り沿った授業を実現してほしい」

という意図が込められているように感じます。

そこで示されたのが、「指導の個別化」 と 「学習の個性化」 の2つの視点です。

◎「指導の個別化」とは?
文部科学省は次のように説明しています。

・支援がひつような子に、よりていねいな指導を行う
・特性や学習スピードに合わせて、教材や方法を工夫する

つまり、同じ内容・同じ課題を、だれもが“わかる・できる”ようにする工夫をするということです。

◎「学習の個性化」とは?
・子どもの興味や関心に合わせて、ちがう課題に取り組む
・子ども自身が「これを学びたい」と思える学習をつくる

すなわち、学ぶ内容そのものを子どもが選ぶことができる学習という考え方です。

今回のテーマでは主に「指導の個別化」を中心に書いていますが、両者はセットであり、どちらかだけでは子どもの学びは広がりません。

文部科学省の調査(義務教育に関する意識に係る調査)では――

・小学生の 26.5% が「授業内容がむずかしすぎる」
・小学生の 23.2% が「授業内容がかんたんすぎる」
・中学生の 32.8% が「授業内容がむずかしすぎる」
・中学生の 11.1% が「授業内容がかんたんすぎる」

これはつまり、半分ちかくの子が“今の授業は自分に合っていない”と感じているということです。
学びの差があるのは自然なこと。
だからこそ、教師はその差に向き合う授業づくりが求められます。

わたしは 子どもの“学びの差”に向き合うためには以下の2つの視点があると考えます。

① 一斉授業の中で差を「減らす」工夫をする
② 差に「応じる」ために、授業の形や時間を工夫する

今後も一斉授業がなくなるわけではありませんし、自由進度学習だけがすべてを解決するわけでもありません。
大切なのは、「全員で学ぶ授業の工夫」と「自分のペースで学ぶ授業の工夫」をどう組み合わせるかという視点です。

・UD(授業のユニバーサルデザイン)、教材の“しかけ”
・OKJ(教えて考えさせる授業)

これらは、子どもの差を“減らす”ための工夫です。
全員が考えやすい土台をそろえ、授業に入りやすくする力があります。

・自由進度学習

これは、子どもの差に“応じる”ための工夫、自分のペースでじっくり学ぶ時間と方法をつくる仕組みです。

・一斉授業で差を“減らす”
・個別の学びで差に“応じる”

この両面から単元や授業を設計することで、どの子にも 「わかった!」「できた!」 が増えていきます。
そして、この2つの視点で、子どもの実態に合った授業をつくっていくことこそが、子どもの“学びの差”に本気で向き合うということだと考えています。

 

4 用法・作用(りょー先生はこうしている!・こんな経験をした!)

私がおこなった授業での実践を2つ紹介します。

①UD(しかけ)×ロイロノートで全員参加!

宝仙学園小学校では、ロイロノート(LoiLo)を日常的に活用しています。
私自身は今年度から宝仙学園小学校の教員になり、ロイロノートを使い始めたばかりなのですが、使えば使うほど UD(授業のユニバーサルデザイン)や教材の“しかけ”との相性の良さ を強く感じています。

今回は、国語『ちいちゃんのかげおくり』の学習を、単元すべて UD(しかけ)×ロイロノート で構成し、どの子も安心して参加できる授業づくりをめざしました。

 

3の場面――ちいちゃんの心情を読む時間

上の画像は、第5時で使ったロイロノートのシートです。
3の場面では、空襲で家族とはなれてしまったちいちゃんの「心配」「不安」の思いが、どのように描写されているかを読み取ることをねらいにしました。
教材の“しかけ”として、3の場面から 考えてほしい5つの文 を短冊にして抜き出し、

・文の順番を入れかえる
・大事な語句をあえてぬく
・教科書の文章を少しだけ置きかえる

など、小さなズレをつくっておきました。

これに子どもたちはすぐ反応し、
「順番がちがう!」
「ここ、言葉がぬけてる!」
「この文、おかしくない?」
と、自然に“つっこみながら”学びに入っていきます。

 

ロイロで「自分で動かす」活動に変わる

短冊シートを全員に送ると、子どもたちは

・文の順番を正しく直す
・足りない言葉を書き加える
・まちがっているところを書き直す

という作業を、自分の画面の上で行い、提出します。

そこから私は、
「でも、本当にその言葉でないといけないかな?」
「ちがう言葉だと、ちいちゃんの気持ちはどう聞こえる?」
と問いかけます。
すると子どもたちは、

・行動や情景によって、気持ちが描写するように書かれている
・「――(ダッシュ)」によって、読者に“考える・想像する余白”を作っている

など、本文の描写に気づきながらちいちゃんの心を説明してくれます。
これは、全員が同じ“しかけ”に向き合いながら、自分の手で文章を動かし、自分の言葉で読みをつくる時間になりました。

 

UD(しかけ)×ロイロノートの相性のよさ

実際にやってみて感じたメリットは、次の3つです。

・OCR(文字認識)で教材準備に時間がかからない
→ 教科書の文を読み取り、そのまま短冊化できる。
・紙の短冊を印刷して並べる手間がいらない
→ 「印刷・切る・黒板に貼る」という作業がゼロに。
・全員が同時に手を動かせる
→ 一人ひとりが自分のペースで動かし、書き、提出できる。

つまり、UD(しかけ)の良さである「全員が思考に入りやすい教材づくり」 を、ロイロノートがさらに後押ししてくれるのです。

UD(しかけ)×ロイロノートは、学びの差を“減らす”ことにつながりました。
「全員が参加できる授業をどうつくるか?」という先生の悩みに効く、とても強力な組み合わせだと感じています。

 

② スクールAI × 自由進度学習で、自分の学びを“調整しながら”進める!

算数では、スクールAIを活用して自由進度的に学ぶ時間をつくっています。
これまでも、担任するクラスでは自由進度的な学習を取り入れてきましたが、時には「問題をただ解くだけ」になってしまい、学びが浅くなるという課題も感じていました。その課題を改善してくれたのが、スクールAIです。

 

AIが一人ひとりに“授業”してくれる

私がスクールAIで作成した「算数授業スーパーティーチャーAI」のアプリを使うと、子どもは自分のペースで学びを進めることができます。
教科書ページを撮影して送ると、AIは

・めあてをつかむ
・自分の考えを書く
・まとめる
・練習する

という授業の流れをそのまま導き、案内してくれます。
まるでAIが一人ひとりの横で授業をしてくれているようなイメージです。

さらに、自分の考えをノートに書き、その写真を送ると、その子の考え方に合わせて問いかけをしたり、追加の練習問題を提示したりします。

 

「考え方モンスター」が学びを深める

アプリをつくるうえで私が特に工夫したのは、採択している学校図書の教科書に登場する
「考え方モンスター」をプロンプトに組み込んだことです。
「考え方モンスター」とは、算数で大事にしたい9つの「見方・考え方」を、9体のモンスターで象徴したものです。

・ヒトッツ:一つ分をつくる
・ソロエ:そろえてみると…
・ワッケル:分けてみると…
・マトメール:まとめてみると…
・ベツアラワシ:別の表し方をすると…
・カエカエ:数や形を変えてみると…
・オナジン:同じように考えられないかな
・キョーツーン:きまりはあるかな
・ナーゼ:どうしてそうなるかな

子どもが自分の考えを送ると、AIはその考えに合わせて、どのモンスターの“見方・考え方”が使えそうかを判断し、気づきを促す質問を投げかけてくれます。
AIからの質問をノートにまとめながら学習することで、子どもの思考は深まり、自由進度学習が「ただ進むだけ」ではなく、考える学習に変わっていきました。

子どもは AI とともに“自分のペースで進む”

実際の子どもたちの反応はとても前向きです。
「いつもよりノートが書けた!」
「自分で進められて楽しい!」
「集中しやすかった!」
「自分一人に先生がいるみたい!」
など、学びを自分でコントロールできることへの喜びが多く聞かれました。

一方で、こんな言葉も――
「杉本先生の授業も好きだから、ぜんぶAIになるのはいや!」
照れくさいですが、教師として嬉しい声でした。

もちろん、すべての時間をAIにゆだねるわけではありません。

・教えるべきところは、しっかり教える
・みんなで考えるところは、全体で考える
・一人で深めたいところは、AIのサポートを受ける

このバランスが大切です。

むしろAIが個別に学習を支えてくれることで、一斉に授業を進める必要が減り、教師は教室を歩きながら

・一人ひとりに声をかける
・学びを見取り、サポートする
・困った子をすぐにフォローする

といった「人間の教師にしかできない役割」に集中できるようになりました。

スクールAI×自由進度学習は、子どもが自分に合ったペースで学びを進められるだけでなく、教師のあり方や・授業のあり方を変える可能性を感じています。

 

5 まとめ

今、教師に求められているのは

・さまざまな学び方を経験させられること
・子どもに合わせて柔軟に学習を計画できること

子どもの“学びの差”は、決して特別なものではありません。
興味の向き方、理解のスピード、経験、考え方――どれも一人ひとりちがいます。
だからこそ私たち教師は、その“ちがい”を前提にして授業をつくっていく必要があります。
今回紹介したように、

・UD(ユニバーサルデザイン)や教材の“しかけ”で 差を減らす
・スクールAIや自由進度の仕組みで 差に応じる

という2つの視点を組み合わせることで、子どもたちは自分に合ったペースで安心して学び、クラス全体の学びも豊かになっていきます。

そして、今、教師に求められているのは、

・「さまざまな学び方を経験させられること」
・「子どもに合わせて柔軟に学習を計画できること」

なのだと強く感じています。

そのためには、さまざまな授業のあり方(指導方法や学び方)を知り、実践できることが大事だと思います。
今回紹介したもの以外にも、楽しい授業のあり方が存在しますし、これからも多様に生まれてくるでしょう。

さまざまな授業のあり方を知っていれば、流行りに乗るためだけに「自由進度学習をしなければならない」という思いになることもなくなるでしょう。
「一斉で学ぶ時間」と「自分のペースで進む時間」をどうつくり、どうつないでいくか。
このバランスをていねいにデザインしていくことが、子ども一人ひとりの「わかった!」「できた!」につながっていくのだと思います。

子どもの学びの差に悩むのではなく、差をふまえて授業をつくる。
その視点をもてた瞬間、教師の手の中には、もっと自由で、もっと豊かな授業の可能性が広がっていきます。

 

◉今回の書方箋
  • 書籍名:『教え上手』
  • 著者:有田和正
  • 出版社:サンマーク出版

◆りょー先生からひとこと

教え方の本質は「いかに教えないか」。筑波大附属小で子どもの追究心を育ててきた有田和正先生が、“教える”という行為の核心を語る一冊です。

何をどう伝えるか迷ったとき、授業づくりの指針となるエッセンスがここにあります。大人が必ず知っておきたい教え方の原点です。

  • 書籍名:
    『教材に「しかけ」をつくる国語授業 10 の方法—文学アイデア50』(上)
  • 『教材に「しかけ」をつくる国語授業 10 の方法ー説明文アイデア50』(下)
  • 編著者:桂聖
  • 著者:授業のユニバーサルデザイン研究会沖縄支部
  • 出版社:東洋館出版社

◆りょー先生からひとこと

教材に“しかけ”を入れると、子どもは自ら動き出す。順序を変える、隠す、置き換えるなど10の方法で、授業に“つっこみどころ”をつくり、思考を刺激する本です。

国語授業をユニバーサルデザイン化し、全員が参加したくなる学びへ導く実践アイデアが満載の一冊。

  • 書籍名:『「教えて考えさせる授業」を創る』
  • 編者:市川伸一
  • 出版社:図書文化社

◆りょー先生からひとこと

学力差のある教室で、だれもが理解し参加できる授業とは何か。本書が示す「OKJ」は、教える→理解を確かめる→考えさせる→自己評価、という流れで基礎基本の定着と深化を実現する習得型授業デザイン。

確かな学力を育てたい教師に必読の一冊です。

 

  • 書籍名:『個性化教育へのアプローチ』
  • 著者:愛知県東浦町立緒川小学校
  • 出版社:明治図書出版

◆りょー先生からひとこと

一斉画一の授業から大胆に踏み出し、子どもの適性に応じた学びを実現した緒川小学校の実践記録。週間プログラムやオープンタイムなど、自由進度学習の原点となる“個性化教育”の姿が具体的に描かれます。

学びを子どもに返すとは何かを教えてくれる一冊です。

 

  • 書籍名:『新装版 教科の一人学び「自由進度学習」の考え方・進め方』
  • 監修:小山儀秋
  • 著者:竹内淑子
  • 出版社:黎明書房

◆りょー先生からひとこと

子どもの個性に合わせて深い学びを実現する「自由進度学習」の理念と方法を、豊富な事例と資料で体系化した一冊。

ガイダンス・計画・追求・まとめの4段階や環境づくり、教師の構えまで具体的に示され、「個別最適な学び」を考えるうえで欠かせない実践書です。

 

本連載の執筆者・杉本遼先生編著の書籍が12月に刊行いたしました!!

特別支援学級の道徳授業のつくり方

自ら考え、変わり始める! 子どもも先生も楽しい授業
実践事例をもとに、特別支援学級の道徳授業のつくり方のヒントを紹介。

道徳は2018年度に小学校で、その翌年に中学校で「特別な教科」として教科化されました。それにより、それまで実施されていないことも多かった道徳に意識を向ける教員も多くなっている一方で、「道徳性を養う」=「心を育てる」ための教材研究や指導に時間を要し、日々頭を悩ませている教員も少なくありません。特に特別支援学級においては、個々の発達特性に沿ったねらいや教材を選ぶだけでなく、異学年で道徳授業を行うこともあるため、授業づくりに困難さを感じている教員が多く存在しています。さらに、特別支援学級の子どもたちは、他者とのコミュニケーションが苦手な子も多く、道徳の授業自体が成立しにくいと考えられがちです。しかし、今後年齢を重ねていくなかで人との関わりや支援が一層必要になる特別支援学級の子どもたちだからこそ、それを学べる道徳はとても重要な授業なのです。 本書では、特別支援学級での道徳授業について、実践事例とともに、子どもたちの心を動かすための授業づくりのヒントを紹介しています。

「あなたのお悩み聞かせてください!」
杉本遼先生『悩みを解決する「教育書」~あなたによく効く
“書方箋”
~』連動企画!

この連載では先生の皆さまから学校での困りごと・悩みを募集しております!
日々の業務でもやもやしていること、子どもや保護者、先生間のやり取りで悩んでいることなど、なんでもかまいません。

例えば…

  • 児童それぞれの授業進捗に差が生まれていることに困っています。
  • 4月から新任教師としてちゃんと働けるか不安です。何から手を付けたらいいか分かりません…。
  • 保護者の方とうまく付き合うコツはなんですか? などなど。

ご採用された方には、連載にて書(処)方された書籍を1冊プレゼントいたします!
りょー先生に相談してみたい…!と考えていらっしゃる方は、この機会にぜひぜひご応募ください。


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