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2026.05.29

第14回 就学支援(5)──教職員として理解する努力|ヤナギサワ事務主幹と考える学校とお金の話

この連載について

①教職員の生活を支えるための〈給与規程〉、②子どもの学習環境を支えるための〈就学支援〉、③教育活動や学校運営を支えるための〈学校財務〉、この3領域を「教育財政領域」と定義し、これらにかかわる法令や理念の解説と合わせて実践紹介などもしていきます。若手教職員をメインターゲットとして、ライト&フランクな連載にしたいと考えています。なお、本連載は「ヤナギサワ事務主査と考える──学校とお金の話」(全24回)の続編となります。

  5月です。明日から6月です……ここまで先月と同じ導入ですが、6月は祝日がありませーーーん。だれかつくってくれないかな。ボクのオススメは10日「時の記念日」*1です。海の日、山の日に続けて「空の日」でもいいですね。15日にしましょうか。ゴールデンウイークが終わって、海の日までがんばるために、そのあいだをとってみました。とりあえず休みが好きなんですよ。そんな休みたいボクを「理解する努力」──してみませんか? 今月はそんなお話に落ちます。

アウトリーチ&プッシュ型支援

 以前(第3回 就学支援(1)──就学支援制度の射程と「3つのエン」)、就学支援制度の種類を紹介しました。次回からその各論です。費用面における支援制度の種類を復習しておいてください。

 すべての制度において、もっともたいせつなことは「知らせること」です。どんなにいい制度があっても(行政などが用意しても)、その制度自体を知らないと利用することはできません。そのため、就学支援制度にかかる課題として「制度の周知徹底」があげられます*2。

「知らせる」方法として一般的なのが、全員(普遍的)に知らせる方法ですね。たとえば、リーフレットの配付などです。しかし、より詳しく制度を「知らせる(フォローさせる)」ためにはアウトリーチという行為が重要となります(こども家庭庁は、アウトリーチ=「訪問支援」と定義*3)。

 もちろん、支援対象と思われる家庭へ訪問し、制度を「知らせる」ことはもっとも効果的です。──とはいっても、少しハードルが高い実践かもしれません。そこで、まずはプッシュ型支援を試してみましょう。プッシュ(押す)型の対称に、プル(引く)型があり、これらは災害支援の方法としてよく使われます。支援の依頼を待つ対応(プル型)か、待たずに支援する対応(プッシュ型)かのちがいです。

 災害支援では、どちらも一長一短*4といわれますが、就学支援ではプッシュ型を採用するべきだと考えます。プル型では支援対象の発見につながりにくいからです。教員と事務職員が協働して、早期発見に向けた取組を意識しましょう。事務職員から未納の相談を教員にしてもいいし、教員から事務職員に子どものようすを伝えることから始めたっていいんです。申請を待つ(プル型=申請主義)だけではなく、発見していく(プッシュ型=発見主義)ことが求められます。

 

教職員として理解する努力

 前回から「支援」や「貧困」*5といわれても……、正直なところ理解ができない。そんなひともいるでしょうし、そんなホンネがあってもいいと思います。精神の自由は国家からも守られますしね(日本国憲法第19条)。

 しかし、仕事として理解する努力は必要だと考えます。日本国内でも多種多様な家庭があり、その状況をつぶさに知ることは不可能です。また、自分の成育歴やバイアスを固定化しないこともたいせつです。そのためには、さまざまな情報や考えかたを吸収していくことが必要です。

 とかく就学支援の領域は、固定観念に捕らわれないニュートラルな思考で「たとえ理解できなくても『教職員として理解』する努力が必要」──を合言葉に取り組んでいきましょう。ついでに、休み大好き人間のことも「理解する努力」をよろしくお願いいたします(笑)。

 


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栁澤先生からコメント

「チームとしての学校」が叫ばれて久しい現代──「学校安全」も例外ではありません。学校環境や防災=管理職、安全教育=教員というように分類されやすい領域かもしれませんが、総務・財務をつかさどる事務職員の知見も「学校安全」には欠かせません。それを証明するような「学校安全」にかかわる事務職員の実践が9本収録されています。そして、実践を補完する理論編、コラム4本と特別支援教育の視点による補論が置かれています。本書は、事務職員による「学校安全」テキストではありますが、管理職を含めた教職員全体、「チームとしての学校安全」テキストという構成です。子どもたちの安全をチームで守るために、お読みいただけたら幸いです。


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