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2026.07.31

第16回 就学支援(7)──「生活保護」を考えるための準備|ヤナギサワ事務主幹と考える学校とお金の話

この連載について

①教職員の生活を支えるための〈給与規程〉、②子どもの学習環境を支えるための〈就学支援〉、③教育活動や学校運営を支えるための〈学校財務〉、この3領域を「教育財政領域」と定義し、これらにかかわる法令や理念の解説と合わせて実践紹介などもしていきます。若手教職員をメインターゲットとして、ライト&フランクな連載にしたいと考えています。なお、本連載は「ヤナギサワ事務主査と考える──学校とお金の話」(全24回)の続編となります。

  佐賀「なう」──もうブームは去ったかな。「わず」とか「だん」もありましたね。全国公立小中学校事務職員研究会主催の「第58回全国公立小中学校事務研究大会(佐賀大会)」に参加しました。Web Gakujiの先輩(「事務職員と“学び”、事務職員の“学び”」)であり、事務職員としても大先輩である前田雄仁さまが会長をしている団体です(うるさいくらい「リンク」を貼って前田さま推し)。

 初・佐賀です。「旅の記録アプリ」っていうのがあって、それを埋めるたのしみもあります。おかげさまで全国各地から講演会や研修会に呼んでいただきまして、残り「鹿児島・熊本・福井・富山・秋田」でコンプリートです。ぜひごひいきに~「隠れ教育費」研究室のウェブサイトから承りますよ。

 さて、夏休みということもあり、こんなノリで始めてしまいましたが、今月から生活保護を扱います。

生活保護法と日本国憲法

 とりあえず、法律を参照しましょうか。

 学校教育について知りたかったら「学校教育法」、学校給食なら「学校給食法」というように、「法」をつけることで法律名となることがあります。日本は法治国家であるし、公務員の仕事も日本国憲法や法律(条例)によって定められていますね。では、生活保護「法」を確認しましょう。その第1条には「日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と書かれています。

「日本国憲法」が出現──第25条をみてみましょう。第1項「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」これは有名*1な条文ですよね。でも、続く第2項はどうでしょうか。そこには、第1項を実現させるために「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めています。

 そして、その「具体的権利としては、憲法の規定の趣旨を実現するために制定された生活保護法によつて、はじめて与えられている」と、有名な裁判「朝日訴訟」*2で判示されています。それでは、生活保護制度をひも解きましょう。

 

セーフティーネット

 さっそく復習すると、「生存権」を定めた日本国憲法第25条──その具体を法律としたのが生活保護法です。そこに生活保護制度のだいじなことが書かれているわけですね。……でも結構ディープなんですよ。だからこの連載ではそんなに深堀するつもりはありません。たぶん、読者が離れていくでしょうからね。くわしく知りたいひとは『生活保護手帳』(中央法規出版)*3 を読んでみてください。ただ、毎年最新版が発売されるし、値段もちょっと高いんですよね。ボクも数年おきに買っていますが、便利っていえば便利です。今回は「『生活保護』を考えるための準備」ですから、ひとつだけ覚えてあとは夏休みを満喫しましょう。

 生活保護は、困窮に陥ったとき〈必要な保護〉による〈生活の保障〉とともに〈自立を助長〉することが目的です。そのため、〈必要最低限〉でとどめる網=セーフティーネットとも呼ばれています。カベではなくネットなのは、反動を利用してもどっていこうとする自立に向けたバネだからだと思います。しかし、ネットは編み込みの目が粗いと隙間から落ちてしまいます。……難しいですね。この連載を通じて、いっしょに考えていきましょう。

 


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本書では、第1章で地域協働に関する政策・法制度、学校運営協議会と地域学校協働活動の関係、事務職員の職務と役割を整理。そのうえで第2章以降では、学校運営協議会、地域学校協働活動、地域コーディネーターとの協働、共同学校事務室、特別支援学校、高等学校、社会教育に関する全国の実践を紹介します。

総務・財務、情報管理、連絡調整、広報、会議運営など、事務職員が日常業務で培ってきた専門性は、学校と地域をつなぎ、地域とともにある学校づくりを支える力になります。地域協働は「あの人だからできる」特別な実践ではなく、「事務職員がいるからできる」学校運営の一部として位置づけることができます。

地域協働について学びたい事務職員、勤務校のコミュニティ・スクールをさらに充実させたい管理職・地域連携担当教職員、教育委員会職員、地域学校協働活動に関わる方に、自校・自地域で最初の一歩を踏み出すための視点とヒントを届ける一冊です。


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